「デビュー前にイベント出演が決定したVTuberです」。浅原泉さんが10月12日にYouTubeに上げたショート動画の題は、こう始まる。出演先は、幕張メッセで開かれている展示会「CEATEC 2026」。VTuberのデビュー前の告知に、CEATECの名前が出てくるとは思わなかった。
浅原泉さんは、工場の検査やロボット向けの「眼」をつくる株式会社浅原技研(岐阜県瑞穂市)の公式キャラクターだ。会社は「AIのVTuber」と紹介し、発表では「創業者」とも記している。YouTubeチャンネルの説明では「“AI系”秘書Vtuber」を名乗り、10月11日に自己紹介のショート動画を公開した。
01話しかけると、画面の外のステージが動く
浅原技研の発表によると、ブースのモニターにいる浅原泉さんに来場者が話しかけるか、画面の「計測お願い」を押すと、隣に置かれた小さなステージが動き出す。硬貨ほどの大きさの円盤に青いレーザの縞模様を当てて32枚の写真を撮り、表面のへこみや段差を色のついた立体として画面に出す。装置を操作している人はいないという。
発表文によると、ステージを動かすとき、浅原泉さんは「ウィーン…。」と効果音まで自分で口にする。読んで、つい笑ってしまった。初日の13日にはブースに人だかりができ、来場者からは「新しいゲームのようだ」という声も出たと、浅原技研は伝えている。ただ、ゲームなどの製品にする予定は今のところないという。
動画:CEATECでの実演を紹介したショート動画(浅原泉さんの公式チャンネル)
023社の技術を、話しながら見せる
展示は、東証グロース上場の株式会社QDレーザのブースで、台湾のMEMSミラーメーカーUltimems, Inc.と3社で行っている。光源はQDレーザのレーザスキャニングプロジェクターで、その中にあるUltimemsの小さな鏡(MEMSミラー)がレーザを走らせて縞模様を描く。その縞を浅原技研のカメラで撮り、ソフトウェアで形を計算する。
どれも、ふだんは専門家のあいだで語られる技術だ。浅原技研は発表で、浅原泉さんが話して動かすことで、初めて見る人にもその場で伝わったと書いている。代表取締役の浅野雄太さんは、会場の声について「技術の展示のつもりでいた私たちのほうが気づかされました」とコメントした。
03CEATECで浅原泉さんに会うなら
CEATEC 2026は10月16日(金)までで、時間は10時から17時。会場は幕張メッセのHall 8で、QDレーザのブース(小間番号8H122)にいる。入場は無料だが、全来場者の事前登録制で、CEATECの公式サイトから登録する。浅原泉さんはYouTube・X・TikTokでの活動も始めたところで、チャンネルの説明では、ショート動画を毎日18時から投稿するとしている。
編集部のひとこと
AIのVTuberをどう受け止めるかは、人によって分かれると思う。それでも、話しかけると画面の外の機械が動くという見せ方は初めて聞いた。会期の残り3日で、会場にどんな声が集まるのか気になる。
VTuber界隈のあれこれを届けるV/WIRE編集部です。 編集方針
