のりプロの犬山たまきさんが9月22日の活動8周年記念配信でお披露目した「AI玉姫」は、犬山たまきさんと掛け合いをし、視聴者のコメントにその場で答えた。この配信システムを共同で開発した株式会社TrippyとDon’t Disturb株式会社が10月20日、仕組みを発表した。
発表に寄せたコメントで、犬山たまきさんは、デビューのころから喉の弱さに悩んできたと明かした。それが、自分の声やキャラクターを残していく「電脳化」を目指したきっかけの一つだという。目指すのは、自分が活動できないときにも「キャラクターが生き続けられる未来」だ。AIの話題には身構えることも多いが、本人の悩みから始まった取り組みだと知って、受け止め方が変わった。
01玉姫は、犬山たまきさんの「IF」から生まれたキャラクター
玉姫は、犬山たまきさんが女性に生まれ、歌を歌う人生を歩んでいたら、というIFのコンセプトから生まれたキャラクターだ。テクノスピーチの発表によると、2024年6月に歌声合成ソフト「VoiSona」の玉姫の声が出た。活動6周年の2024年9月22日には、話し声のソフト「VoiSona Talk」の玉姫も発売された。
AI玉姫の音声は「VoiSona Talk 玉姫」とは別の技術とデータで作っていて、ソフトで同じ声は出せないという。
02コメントを選び、スーパーチャットを読み、掛け合いの間をはかる
システムは、YouTubeの配信コメントを読み、話題に合ったものを選んで玉姫の口調で答える。同じコメントへの重複した反応や、話題のくり返しは抑える。スーパーチャットは優先して読み上げ、金額に応じて読む順番を変える。
犬山たまきさんの声を聞き取って会話に加わり、発話がかぶらないようにタイミングを調整する。話す内容や感情に合わせて、Live2Dの表情や動きも切り替わる。発表では、生配信の課題として、返事の遅れ、発話のかぶり、スーパーチャットの読み漏れ、音声の途切れを挙げ、これに対応するシステムを作ったと説明している。人間の配信者でも気をつかうところを、AIの側で処理しようとしているのがおもしろい。
配信者が1人でも動かせるように、コメント選びや発話のタイミング、表情の切り替えは自動にした。手元のWindows向けアプリで、コメントの処理の具合を見たり、発話を止めたり再開したりもできる。
役割は、犬山たまきさんが企画と総合プロデュース、声や表情、配信の体験全体の監修。Trippyがシステムを開発し、Don’t Disturbがプロデュースとプロジェクトの推進、テストを担った。
03ほかのVTuberやキャラクターにも広げる予定
両社は今回の開発で得た知見をもとに、ほかのVTuberやキャラクターIPへ広げる予定だ。AIキャラクターどうしのコラボ、複数の配信者のコラボ配信への参加、コメントやスーパーチャットの読み上げを手伝う配信サポートツールとしての使い方も挙げている。Don’t Disturbの代表取締役、中川卓也さんは、AIとクリエイティブの関係には「センシティブな部分」もあると認めたうえで、表現や活動を支える手段の一つとしてAIを使ったと述べた。
AI玉姫のお披露目は、8周年記念配信のアーカイブの41分14秒からだ(発表による)。
引用:【#犬山たまき8周年】チャイナ服・部屋着 新モデルお披露目🐶💙& AI玉姫デビュー🔱(Tamaki Ch. 犬山たまき / 佃煮のりお、YouTube)
編集部のひとこと
コメント選びも、スーパーチャットの読み上げも、掛け合いの間も、配信者が毎回気をつかっているところだ。AI玉姫がそれをどこまでこなせるのか、アーカイブの41分14秒から見て確かめたくなった。犬山たまきさんの言う「成長途中」のAI玉姫が、次に出てくるときにどう変わっているかも気になる。
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