「全てのブラウザソースを個別にダブルクリックしてプロパティを開き、権限レベルを1以下(アクセス権なしもしくはステータス情報のみ)にしましょう」。OBSの使い方を動画で発信している「ひとみマンのOBS学校」のひとみマンさんが10月22日の昼、Xでこう呼びかけた。きっかけは、前の日に公表されたPHPの緊急の脆弱性だ。
投稿は10月22日夜の時点で、リポストが3800件、ブックマークが8300件を超えた。
【拡散希望】OBSを使用している全配信者へブラウザソースの権限確認対応
— ひとみマンのOBS学校 (@hitomiman_obs) 2026年10月22日
PHPの緊急脆弱性の件について、OBS自体は影響を受けません。
しかし、ブラウザソースの設定からページ権限レベルが4以上の場合は、表示しているページのAPIを通じてOBSを操作することができます。
引用:ひとみマンのOBS学校(@hitomiman_obs)のポスト
01PHPの更新は10月21日に公開 OBSは「配信には影響しない見込み」
OBSの開発チームは10月21日の昼(日本時間14時44分)、公式Xで、PHPの脆弱性の公表を待つ間、公式サイトの一部を使えなくすると告知した。OBSに接続したアカウントからの配信には影響しない見込みだという。
Parts of our website will be unavailable while we await disclosure of a PHP vulnerability. This should not impact streaming via connected accounts.
— OBS (@OBSProject) 2026年10月21日
引用:OBS(@OBSProject)のポスト
PHPは、多くのWebサイトのサーバーで動いているプログラミング言語だ。PHPの開発元は10月20日に緊急のセキュリティ更新を予告し、21日23時(日本時間)にPHP 8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35を公開した。直したのは、外部の人がログインなしでサーバー上のプログラムを動かせるおそれのある2件の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)で、深刻度はCVSS v4.0でどちらも9.2。設定の変更では安全にならず、更新だけが確実な対策だとしている。
ひとみマンさんも、OBS自体はPHPの影響を受けないと書いている。気をつけたいのは、OBSの中で表示しているWebページのほうだ。
02ブラウザソースの「ページの権限」(Page permissions)は6段階
ブラウザソースを使うと、コメント欄やアラート、ウィジェットなどのWebページを配信画面に重ねられる。わんコメのコメント表示も、ブラウザソースで読み込む形だ。表示しているページの中のプログラムは、「ページの権限」の段階に応じて、OBSの情報を読んだり、OBSを操作したりできる。ページを置いているサーバーが乗っ取られて中身を書き換えられると、その権限の範囲でOBSを動かされてしまう、というのがひとみマンさんの指摘だ。
OBSの開発チームがGitHubで公開しているブラウザソースのプログラム(obs-browser)の説明によると、段階ごとにできることは次のとおりだ。段階の名前は、説明にある英語の名前(NONE、READ_OBS、READ_USER、BASIC、ADVANCED、ALL)を訳したものだ。
| 段階 | ページからできること |
|---|---|
| 0:なし | OBSの情報は読めない |
| 1:OBSの情報の読み取り | OBSの状態(ステータス)を読む |
| 2:ユーザー情報の読み取り | 今のシーン、シーンの一覧、トランジションを読む |
| 3:基本 | リプレイバッファを保存する |
| 4:詳細 | シーンやトランジションを切り替える。リプレイバッファの開始・停止 |
| 5:すべて | 配信・録画・仮想カメラの開始と停止、録画の一時停止 |
シーンの切り替えは4段階目から、配信や録画の開始・停止は最上位の5段階目からできる。
OBS公式のナレッジベースによると、ブラウザソースの初期設定は「OBSのステータス情報の読み取り」、つまり1段階目だ。この段階では、ページからシーンを切り替えたり、配信を始めたりする操作はできない。
03確かめ方
ソースの一覧でブラウザソースをダブルクリックしてプロパティを開き、「ページの権限」(英語版では Page permissions)の項目を見る。日本語版の画面では、項目名や段階の表記が違うことがある。1段階目より上になっていたら、0か1に下げる。ブラウザソースが複数あるときは、1つずつ開いて確かめる。
ページの側からシーンを切り替える仕組みを使っている場合、権限を下げるとその機能は動かなくなる。その場合は、使っているツールの公式の案内を見て、必要な段階を確かめたい。
編集部のひとこと
PHPの脆弱性は、サーバーを運営する人だけの話ではなかった。配信画面に外のページを重ねている配信者にも関係がある。初期設定のままなら慌てなくていいが、ひとみマンさんの言うとおり、何かの操作で変えてしまっていることもある。次の配信の前に、ブラウザソースを一度ずつ開いておきたい。
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