coffin299さんが開発したWindows用アプリ「VRCast」は、VRChat用の3Dアバターを表示し、OBSなどの配信ソフトやDiscord、Zoomに映せる。BOOTHで無料で配布されており、10月6日に最新のVer1.5.1が出た。BOOTHの更新履歴によると、10月3日の初回リリースから6日までに6回更新されている。
動画:VRCastのチュートリアル(coffin299のYouTubeチャンネル)
01VRChatもUnityも開かずに動かす
使う前に、アバターの入ったUnityのプロジェクトに書き出しツールを入れ、アバターを「.vrcaster」という形式のファイルに書き出す。このファイルをVRCastのウィンドウにドラッグ&ドロップすれば、その後はUnityやVCC(VRChat Creator Companion)を起動しなくても使える。書き出しで元のアバターは変更されない。
表情や小物の初期状態、揺れもの(PhysBone)、Constraintは、VRChatでの設定をもとに再現する。揺れものとConstraintは近似で再現するため、VRChatと完全に同じ動きにはならないと作者は説明している。対応するシェーダーは、lilToonやPoiyomiなどBuilt-inパイプライン向けのものだ。
OBSにはゲームキャプチャで背景を透過して重ねられ、DiscordやZoomでは仮想カメラ「VRCast Camera」として選べる。マイクの声に合わせた口パクと自動のまばたきがあり、Webカメラを使えば頭や視線、腕、手、指も動かせる。
VTuberがよく使う無料ソフトのVSeeFaceは、VRMとVSFAvatarの形式のアバターを動かす。GitHubのリポジトリでは、VRCastを「VseeFace風」にOBSなどで扱えるアプリと紹介している。違うのは、VRChat用のアバターを専用の形式に書き出して使う点だ。
02Spout2出力とパーフェクトシンクに対応
6日のVer1.5.0では、OBSへGPU上で映像を渡すSpout2出力が加わった。作者は、キャプチャより軽く、透過もそのまま使えると説明している。同じ日のVer1.5.1は、1.5.0の配布物にSpout2出力に必要なファイルが入っていなかった問題を直した版だ。Spout2は、VTube StudioのモデルをOBSに背景透過で映すときにも使われる方式だ。OBS側の設定は別の記事で紹介している。
Ver1.5.0ではパーフェクトシンクにも対応した。ARKitと同じ名前のBlendShapeを持つアバターなら、眉や頬、口の形まで顔の動きどおりに動く。トラッキングにMediaPipeを使うときだけの機能になる。5日のVer1.3.0では、Modular Avatarで付けた衣装や小物が体についてこないことがある問題が直された。
03使う前に確かめること
BOOTHのページでは、動作環境をWindows 11としている。書き出しには、アバターの入ったUnity 2022.3.22f1のプロジェクトが必要で、VCCで作ったプロジェクトでよい。
作者は、アバターや衣装、アクセサリーの利用規約を必ず守るよう呼びかけている。配信や外部アプリでの使用、改変ができるかどうかは、それぞれの規約で決まる。BOOTHの説明でサンプルに使われているアバター「マリシア」にも、VTuberとしての常用はNGだという注意書きが添えられている。
仮想カメラを使うには、初回にドライバーの登録が必要だ。初回の起動時には、SmartScreenやウイルス対策ソフトが警告を出すことがある。VRCastは、VRChat Inc.とは関係のない個人開発の非公式ツールで、ライセンスはApache License 2.0だ。
編集部のひとこと
VRChatで作り込んだアバターを、配信や通話に連れていけるのはうれしい。更新履歴を読んで、公開から数日で6回も更新されているのには驚いた。
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