回答は1週間で2万1,595件。そのうち95%が、AIを使ったかどうかを何らかの形で表示してほしいと答えた。ところが、どんな表示がよいかを8つの例から選んでもらうと、組み合わせは3,141通りに分かれ、1割を超えて選ばれたものは1つもなかった。
VRChatは10月28日、公式フォーラムに「Where we’re landing on AI in VRChat」と題した投稿を出し、このアンケートの結果と今後の方針を公開した。ワールドには高評価・低評価のボタンを付ける。一方で、「AI生成」のラベルとAIで絞り込むフィルターは作らない。
01ワールドに高評価・低評価、目標は2026年内
高評価・低評価のボタンは2026年末までの導入を目指し、遅れた場合も2027年の初めを見込む。まずボタンを付けてデータを集め、十分に集まってから、評価をどう表示するか、ワールドのおすすめにどう生かすかを決める。
VRChatは、評価が操作されうることも認めている。評価をおすすめに反映するときは、評価したユーザーの活動も考え合わせるという。新しいワールドや時間をかけて作られたワールドが、手早く派手に作られたワールドに埋もれる心配についても、それを抑える仕組みにすると書いている。
ワールドのページに、サムネイルのほかに複数の画像を載せられる「ギャラリー」も作る。入る前にどんなワールドか見られるようにするもので、目標は高評価・低評価のあとの2027年前半だ。
02「AI生成」のラベルとフィルターは作らない
VRChatがラベルを見送る理由は4つある。正直に申告する作者がいる一方で、AIの手を借りた作品を手作りと偽る作者も出ること。ラベルがあると、AIを使ったかどうかの詮索や、AIを使っていない作者への攻撃まで招きかねないこと。フィルターは一度設定すると見直されにくく、しかもラベルが正しくないと役に立たないこと。そして、AIの定義も世間の受け止め方も、まだ定まっていないこと。
そのうえでVRChatは、ワールドごとに中身を見て、自分で決めてほしいという考えを示した。
アンケートの自由記述では、37%が「人が創作をしているなら、道具としてのAIは構わない」という趣旨のことを書いた。AIの手を借りたワールドを意図して避けると答えた人は33%だった。
03「人が作った」マークと「使ったツール」の欄は検討中
代わりの案として挙がっているのが、人の手で作ったことを示す「Human-authored(人が作った)」のマークと、制作に使ったツールを書く欄だ。どちらも導入の予定はまだない。マークを作る場合は付けるかどうかを作者が選べるようにし、表示はワールドの詳細ページだけにして、おすすめの順位には影響させない。マークがないことを理由に疑ったり、通報の対象にしたりすることもしないという。
ただ、何をもって「人が作った」とするのかは、VRChat自身もまだ決めかねている。マークについては短いアンケートを別に集めていて、マークとツールの欄の続報は2027年の第1四半期の終わりまでに出す予定だ。
04始まりは10月6日の投稿、誤解を招くサムネイルは禁止に
今回の方針は、VRChatが10月6日に出した投稿「Regarding AI Usage on VRChat」の続きにあたる。このときVRChatは、AIで作った実際と違うサムネイルを防ぐためにクリエイター向けのガイドラインをすぐに改めると書き、7日間のアンケートを始めていた。
ガイドラインは、AIかどうかを問わず、誤解を招くサムネイルを禁止する形に改められた。新しいガイドラインに合わないサムネイルの作者には個別に連絡し、修正も済んだという。今後のSDKの更新では、作者がサムネイルを選ぶときに注意を促す表示を出す。ただ、誤解を招く中身は自動では見つけられず、始めたばかりの取り締まりは難しいとも認めている。
アンケートでいちばん意見が割れなかったのは、このサムネイルのルール(81%が「とても役に立つ」と回答)だった。質の高いものが見つかりやすくなるおすすめ(72%)と、ゲームの中から感想を送れる仕組み(69%)が続いた。
編集部のひとこと
95%が表示を望みながら、どの案も1割に届かない。この割れ方を前に、ラベルで一律に分けるのをやめ、評価と画像でワールドの中身を見せるほうに寄せたのは、「見て決めてほしい」という言葉どおりの選び方だと思う。目標どおり年内に付くボタンが、ワールドを作る人の苦労にきちんと報いる仕組みになるかを見ていきたい。
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