レイヤー分けしたイラストをメッシュで動かし、顔トラッキングに合わせて配信に映す。Inochi2Dは、この流れを無料で試せるツールだけで組めます。配信で使うアプリの「Inochi Session」は無料、モデルを作る「Inochi Creator」は無料の評価版か、購入版(itch.ioで40ドル以上)を選びます。
ただし、作ったモデルはLive2Dの形式ではありません。この違いは、作り始める前に確認しておきましょう。公式サイトとダウンロードページ、itch.ioの配布ページ、GitHubのREADMEで確かめた内容を、2026年11月7日時点でまとめます。
01Inochi2DはCreatorとSessionの2つで使う
Inochi2Dは、2D素材の「パペット」をリアルタイムで動かすための仕組みです。公式サイトは、配信などのVTuber活動のほか、ゲーム開発や、レイヤー分けしたイラストをSNS向けに動かす用途も挙げています。VTuberが使うのは、次の2つのアプリです。
| アプリ | 役割 | 費用(11月7日時点) |
|---|---|---|
| Inochi Creator | イラストにメッシュと動きを設定して、Inochi2D形式のモデルを作る。 | 無料の評価版(起動のたびに10秒の購入案内が出る)、購入版はitch.ioで40ドル以上 |
| Inochi Session | 作ったモデルを読み込んで配信に使う。顔トラッキングのアプリと組み合わせる。 | 無料(購入の案内は出ない) |
評価版は、itch.ioの配布ページによると購入版と機能が同じです。評価できる期間にも制限はありません。購入せずにソースコードからビルドして使うこともできます。公式のダウンロードページは、VTuberのモデルを作りたい人にはCreatorとSessionの両方をダウンロードするよう勧めています。
02Live2Dとの違いは、モデルの形式と使えるアプリ
いちばん大きな違いは形式です。itch.ioの配布ページには、Inochi Creatorが書き出すのはInochi2D形式で、Live2DやSpineなどの形式のソフトとは互換性がない、という注意書きがあります。
VTube Studioで読み込めるのは、Live2D Cubismのモデルだけです(VTube Studioの公式の案内)。Inochi2DのモデルはSessionで動かします。VTube Studioは、Sessionの公式説明に顔トラッキングのアプリとして出てきます。
| Inochi2D | Live2D Cubism | |
|---|---|---|
| モデルの形式 | Inochi2D形式 | Live2D形式(Cubism) |
| モデルを作るソフト | Inochi Creator(評価版は無料、購入版は40ドル以上) | Live2D Cubism Editor(FREE版あり、PROは月額2,288円〜。10月26日時点の公式ストアの価格) |
| 配信で使うアプリ | Inochi Session(無料) | Live2D Cubismのモデルを読み込めるアプリ(例:VTube Studio) |
Live2Dで動くアプリは、ツール名鑑の「Live2Dで動く」で絞り込めます。
03はじめの一歩は、公式のダウンロードページから
- inochi2d.comのダウンロードページから、CreatorとSessionをWindows・macOS・Linuxのうち自分の環境向けにダウンロードします。
- Creatorは無料の評価版で、レイヤー分けしたイラストを読み込み、メッシュと動きを設定して、モデルを書き出します。
- Sessionにモデルを読み込みます。
- 顔トラッキングは、Sessionの公式説明に例として挙がるVTube Studio、MeowFace、VMC、OpenSeeFaceなどと組み合わせます。
公式サイトのギャラリーには、他の制作者が作ったモデルが並びます。
04使う前に知っておきたい注意点
- Creatorは、itch.ioの配布ページで「現在はベータ版で、バグや癖、足りない機能がある」と案内されています。
- SessionのREADMEには、開発の途中で本番利用の準備がまだ整っていないという注意書きがあります(11月7日時点)。
- Creatorの公開コードのライセンスはBSD 2-Clauseです。CreatorのREADMEには、ブランド素材の著作権はInochi2D Projectにあると書かれています。これはパッケージを配布する人向けの注記なので、Creatorを配布する場合はREADMEを読んでおきましょう。
05こんな人に
Live2Dとは別の形式でかまわないので、2Dのモデルを動かす費用を抑えたい人。モデル制作から配信まで、無料で試せるツールで組んでみたい人。まず評価版を試して、Sessionまで通して動かせるかを確かめたい人。
編集部のひとこと
評価版は期間を決めずに試せるので、作り込む前に、簡単なモデルでSessionまで通して動かしてみるのがおすすめです。Creatorはベータ版、Sessionは本番利用の準備が整っていないとされているので、配信本番で使うかどうかは、その結果を見てから決めるのがよさそうです。
関連記事:VTuberの始め方(入り口の記事)
TOOLSこの記事に出てくるツール
- Inochi2Dモデル制作 Windows・Mac・Linux2Dイラストをリアルタイムで動かすためのアニメーション基盤です。公式ツールには、モデルを制作するInochi Creatorと、モデルを配信で使うInochi Sessionがあります。NEW無料プランありSessionは無料、Creatorは無料評価・購入版があります。
- Live2D Cubism Editorモデル制作 Windows・Mac1枚のイラストを素材にして、2Dのまま立体的に動くキャラクターのモデルとアニメーションを作るソフトです。無料プランあり日本語無料版あり・PROは月額2,288円〜(一般ユーザー・小規模事業者向け)
- VTube Studioアバター・トラッキング Windows・Mac・iPhone・iPad・Android・SteamLive2D Cubism のモデルを、Webカメラやスマートフォンの顔のトラッキングで動かすアプリです。PC版は Steam で無料で配布されています。無料プランあり日本語無料(Steam版)・透かしを消す追加コンテンツは1,520円
VTuber界隈のあれこれを届けるV/WIRE編集部です。 編集方針
