マイクアームは、机にクランプで固定してマイクを口の前に持ってくる道具です。選ぶときは「耐荷重」「リーチ」「机の厚さ」「ネジの規格」の4つを、使うマイクと机に合わせて見れば足ります。この記事では、メーカーの公式情報から、見方と3機種の違いを整理します。
この記事のポイント
- 先に確かめるのは、マイクの重さ(ポップガードやショックマウントも足す)と、机の天板の厚さです
- 耐荷重の書き方はメーカーで違います。「アクセサリー込みの最大」と「マイク重量の範囲」の2通りがあります
- マイクの取り付けネジは、1/4インチ、3/8インチ、5/8インチがあります。アダプターが付属するかどうかも確認します
- 3機種の仕様は、公式サイトの記載を2026年11月4日時点でまとめました
01マイクアームを使うと何が変わるか
机に直接置くスタンドは、キーボードやマウスの操作の振動を拾うことがあります。アームなら、マイクを机の上の物から離して、口の近くに置けます。使わないときは横にどけられるので、机の上も広くなります。
一方で、アームは机にクランプで固定するため、机の端がふさがっていたり、天板が厚すぎたりすると付けられません。買う前に、机の側の条件も測っておきます。マイクそのものの選び方は配信用マイクの選び方を先に読むと、使うマイクの重さと接続方法が決まります。
02選ぶときに見る4つの項目
1. 耐荷重(マイクの重さ)
マイクの重さに、ショックマウントやポップガードを付けた分を足して、アームの耐荷重と比べます。Elgato の Wave Mic Arm LP は、公式ページで最大耐荷重を「マイクとアクセサリー含む」2kgと書いています。Wave Mic Arm MK.2 は200〜1,200gです。RØDE は PSA1+ の対応マイク重量として94g〜1.2kgを挙げていますが、最大耐荷重の記載は見当たりませんでした。メーカーごとに書き方が違うので、数字を並べるだけでは比べられません。
2. リーチ(アームが届く距離)
水平リーチは、机の端のクランプから、マイクをどこまで前に出せるかの目安です。モニターを机の奥に置いていて、その手前にマイクを持ってきたいなら、長いほうが余裕があります。垂直リーチは、机から上にどこまで上げられるかです。立って配信する人や、机が低い人は垂直も見ます。
3. 机の厚さ(クランプの開き)
クランプが挟める天板の厚さには上限があります。RØDE PSA1+ は最大70mm(クランプ)、Elgato の2機種は最大60mmです。天板の裏に補強材や引き出しのレールがあると、クランプが平らに当たりません。Audio-Technica の AT8700 の説明でも、クランプは天板の上面と底面の両方に平らに密着させるとされています。
4. ネジの規格
マイクを付けるネジは、メーカーや製品で違います。Audio-Technica は、AT8700 のマイククリップやショックマウントのネジ規格を5/8インチ-27としていて、別の規格のマウントを使うときはアダプターが別に必要です。Elgato の Wave Mic Arm MK.2 は1/4インチのネジで、3/8インチと5/8インチのアダプターが付属します。Wave Mic Arm LP にも、1/4→3/8インチと1/4→5/8インチのアダプターが付いています。
033機種の公式仕様を比べる
| 項目 | RØDE PSA1+ | Elgato Wave Mic Arm LP | Elgato Wave Mic Arm MK.2 |
|---|---|---|---|
| 水平リーチ | 940mm | 740mm | 950mm |
| 垂直リーチ | 860mm | 記載なし | 850mm |
| 重さの目安(公式の表記) | 対応マイク重量 94g〜1.2kg | 最大耐荷重 2kg(マイクとアクセサリー含む) | 200〜1,200g |
| クランプ | 最大70mm(デスクインサートは最大55mm) | 最大60mm | 最大60mm |
| 回転 | 記載なし | 水平360度(ベースとエルボー) | アーム360度・ヘッド360度 |
| ケーブル | USBとXLR両方に対応した内蔵のケーブル管理 | 記載なし | 記載なし |
| ネジ | 記載なし | アダプター1/4→3/8、1/4→5/8付属 | 1/4インチ、アダプター3/8・5/8付属 |
表の「記載なし」は、2026年11月4日時点で、確認した公式の仕様ページに載っていなかった項目です。性能がないという意味ではありません。出典は記事の最後にまとめています。
04用途別の選び方
- 机の奥にモニターがあり、その手前までマイクを出したいなら、水平リーチが940〜950mmの RØDE PSA1+ か Elgato Wave Mic Arm MK.2 が候補です
- アームと机の隙間の数字を見たいなら、Elgato の Wave Mic Arm LP の公式ページに、下部アームの机との隙間が70mmと101mm、上部アームは160mmと書かれています
- 重めのマイクにショックマウントも付けるなら、まず耐荷重の書き方を確かめます。LPは2kg(マイクとアクセサリー込み)、PSA1+は対応マイク重量94g〜1.2kg、MK.2は200〜1,200gです
- XLRケーブルとUSBケーブルをまとめたいなら、ケーブル管理を内蔵しているのは RØDE PSA1+ です(USBとXLRの両方に対応。ほか2機種は記載なし)
05取り付けの流れとつまずきやすい点
Audio-Technica の AT8700 の公式説明にある手順を、ほかのアームにも通じる範囲でまとめます。
- 机の端にクランプを取り付けます。天板の上面と底面の両方に平らに当てます
- アームをクランプの穴に差し込み、セットネジで固定します
- アームの角度を調整します。力を入れすぎず、指を挟まないように注意します
- マイクをマウントに付け、セットネジで固定します。ネジが合わなければアダプターを使います
- USBケーブルやXLRケーブルは、ケーブルクリップでアームに沿って固定します(AT8700は4か所)
つまずきやすいのは次の3点です。1つ目は、マイクの重さだけで耐荷重を見て、ショックマウントやポップガードの分を足し忘れることです。2つ目は、ネジの規格が合わず、届いてから付けられないことです。3つ目は、机の天板の厚さや、裏側の出っ張りを測っていないことです。ポップガードの考え方は歌ってみた・歌枠の録り方で、ポップノイズの原因と合わせて書いています。
06よくある質問
マイクアームがないと配信できませんか?
いいえ。机に置くスタンドで配信できます。アームは、机を広く使いたい人や、操作の振動が気になる人が足す道具です。
USBマイクにも使えますか?
使えます。USBとXLRの違いはUSBマイクとXLRマイクの違いにまとめています。
机の厚さが60mmを超えたらどうなりますか?
Elgato の2機種はクランプが最大60mmまでなので、60mmを超える天板にはクランプで付けられません。RØDE PSA1+ はクランプで最大70mmまで対応します。厚い天板に付けたいときは、取り付けの条件を先に確かめます。
アームを買う前に何を測ればいいですか?
机の天板の厚さ、クランプを付けたい場所の奥行き、マイクとショックマウントを合わせた重さ、マイクのネジの規格の4つです。
編集部のひとこと
配信を始める人には、アームを最初の買い物にしなくていいと伝えたいです。アームは音質を上げる道具ではなく、マイクの置き方を楽にする道具なので、VTuberの始め方の準備を終えてから、机の使いにくさを感じた時点で足せば十分です。そのとき、耐荷重の欄の読み方だけ気をつけてください。メーカーごとに書き方が違います。
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